ものづくりを事づくりへ。心にいつも華を。良いお年をお迎え下さい。2012年。


良いお年を。
Have a happy new year.
Bonne Année.
新年快楽。


明日12月31日で今年2012年も終わりだ。
時は流れ間もなく新年2013年度を迎える。当たり前だ。
しかしだ。ここ最近胸騒ぎが続く。原因は何かと言うと判らない。
多分平穏無事であるという事がなおさら不安と心配を掻き立てているのであろう。

昨年度つまりちょうど1年前。
実のところこの会社で年を越せるなど思いもしなかった。
年末にはこの会社はお陀仏でこの世から消え去るであろうとあきらめていた。
ろくに眠れずに朝起きて会社ヘは行くのだが夢うつつで体はだるくただ漂っていたような心地であった。

それは失敗だ。もちろん大きな失敗。
会社が一瞬で吹っ飛ぶ失敗。
それはもちろんお金。お金がないと会社は成り立たないし、存続できない。
お金が入ってこなければ会社はたちまちなくなり日々の生活さえ困ることになる。
そのお金。大金だ。大きな金額だ。
それが入って来ない。どれどころか下手すると訴えられることもありうる。

全ては俺一人のせいではない。
他の意見を全く耳を貸さず突っ走った結果がこの会社を危なくした。
いやお陀仏にしたと言っても過言ではないだろう。
俺も必死に止めはした。だがそれは無駄骨に過ぎなかった。
本人は何故そんなに脇目も振らずがむしゃらに突っ走ったかはいまだに不明だ。

同じ会社の一員として。全く責任がないかと言えばそうではないのであろう。
何とかしなくてはならない。しかし、事の重大さにほぼあきらめに近い心地になっていた。
もう駄目だろうと口にも出し肩を落とし頭を抱える日々を過ごす。

お陀仏になるとどうなるのだ。
先ず離婚だな。俺には家族を養うだけの力はなくなる。
担保に入っている家、工場は取られ山ほどの借金だけは残る。
会社の名前はこの世から消える。
果たしてこれだけ長きに渡り景気停滞している日本で再起できるのか。
職人、従業員はどうなる。もちろん辞めてもらわねばならぬ。
給料払えない以上どうしようもない。
生きることはできるだろう。まあ。これも人生だ。
考えれば考えるほど自分自身が破滅した姿が目に浮かんでしまう。

しかし、でき得ることは何でもやらねばならない。
簡単にあきらめてどうする。
確かに俺自身がしでかしたことで事ではない。
しかしだ。止める事が出来なかった責任はある。
それにこの会社を存続させる責任は既に俺一人の責任ではないか。
他人ができるはずもない。
この会社が消え去らぬよう、お陀仏にならぬようにできるのは俺以外誰もいないではないか。

先ずは相談した。それしかなかった。
考えられるところには相談に行く。
もちろん先ずは金融機関。正直に今の現状を話す。
即座に聞かれたこと。それは次の注文は。
次の注文はないのかと。当たり前だな。
当然やっている。注文取りは。
注文なければ社会に存在する価値なんぞ全くない。
会社がなくなるのは当然だ。
落胆、肩を落としている暇なんぞなかった。

法律はどうなのか。確認したかった。
本当に全てうちが悪いのか。全く大金が入らないのは当然なのか。
相談した。弁護士の先生へ。
覚悟はできていたが会社をつぶせとの回答だった。
その先生は、金を用意せよ。
俺がその金でうまいこと会社をつぶしてやると。
誰しもが泣きながらお金を持って来てお願いすると。

なんだ。こいつは。相談したのはしたのだが。
落胆して気落ちしている自分にさらに身を破滅するよう勧めやがる。
確かに弁護士という先生の身分だ。法律上の専門家だ。
法律上はそうなのかも知れん。
他に言葉はないのか。そう簡単に会社をつぶせるもんか。
会社つぶしてどうする。うちで働いている従業員、職人はどうなる。
自分も。家族も。どうなるんだ。
しかし、会社の存在自体がこの世に迷惑かけているとしたら。
会社は儲かり従業員に給料払いそして税金を払う。
新たな開発。それは物作りでだけではない。
新たなサービス。新たなBusinessを生み出さねば会社の存在価値なんぞない。
果たしてうちはどうだ。そうなっていたか。
自問自答を重ねる。

いや。その前に。
弁護士の先生は俺に会社をつぶせと言った。
つまりうちの会社は既にこの世にはいらないと言った。
やはりそうなのか。法律上はうちはこの世にいらないと断言している訳だ。

帰社後。銀行へそのまま正直に先生の回答を告げる。

果たして銀行はどう出るか。
しかし、そんなこと構ってなんぞいられなかった。

次なる案件を取らねばならない。
次の注文を取らねば本当にお陀仏そしてこの世から消え去らねばならない。
元気を装い、顔はひたすら作り笑顔で注文取りに動く。
車、飛行機、新幹線。交通手段なんぞ構ってられない。
お金はないのは判っている。
しかし、動かねば注文は取れない。
幸いなことに大きな注文が入る。
本当に幸いだ。これが大きかった。

その注文が昨年の年始。いやその前の年末。
慌ただしい年始、年末だったは今だに鮮明に記憶している。

その注文書をコピーし銀行へ持って行く。
これでお金を貸してくれと。
何とかひと息はついた。何とか年は越せそうだ。

しかしだ。この世は甘くはない。これで終わない。
失敗した大金が入って来ないのだから。
大きな借金は抱えたままだ。

もちろん相手先には交渉へ行った。
相手は訴えはしない。そして払った金は返さなくて良い。と。
助かった。それについては本当に助かった。
胸をなでおろしはした。
これは幸運だ。運だろう。それしかない。
だが失敗した大金はもう帰っては来やしない。
さてどうするんだ。この先本当に生き残れるのか。。。

実際のところ昨年度の年末、年始睡眠時間は極端に短かった。
眠れないし、睡眠の時間自体の確保ができなかった。
自分で言うのはなんだが。よく倒れなかったなと。

もちろん今年の年始も仕事尽くめだった。
正月なんぞ言ってられなかった。
働いて働いて働きまくる。それしかなかった。

しかしだ。それだけで事は済まない。
本当にこの世は甘くはない。
次々と起きる。次々と考えられない事が起こり我が身を襲う。

長くなった。この後の出来事はいずれ書くことにしよう。


会社はきちんと生き残っています。
新たなKENKI SHTS Dryerを九州大学の先生にもお力を頂き完成させました。
既に海外進出を進めておりフランスにも販売そしてメンテナンス拠点ができました。
国内も全国的規模での販売そしてメンテナンスができる会社と協議させて頂いています。
来年早々は中国へ渡り販売拠点つくりを始めます。
又3月には中国の環境展示会に出展します。

今年も年始年末は休みなしです。
そんな暇ありません。
プレゼン資料、図面そしてWeb Siteの構築も必要です。
さらにEnglishも覚えなければなりません。


今回の続き読みたいですか?


それでは良いお年を。
Have a happy new year.
Bonne Année.
新年快楽。