3月26日。受注。

歩けなかった。会社までの長い距離を何とか歩こうとした。
歩けない。歩み始めるがあまりの腰からくる苦痛に歩みは止まる。
必死の形相空しくバス停へと歩む。
昨日我が妻から預かったバスカードが功を奏する。妻のしたり顔が目に浮かぶ。

自宅近くのバス停からバスに乗り込む。まだ早朝だ。
道は混雑していない。瞬く間に会社近くのバス停に止まる。
バスカードをかざすと会社まで歩み始める。
痛み始める。激痛だ。思わず左手で左腰を強く押さえる。
不格好ながらびっこを引き事務所へと辿り着く。

クレーンが到着。10トントラックも到着。トラックを大声を出しながら誘導する。
工場へ入る。久方ぶりに職人皆の顔を眺める。仔細聞く。
不在時の過去と現状そして次なる予定を。確認が終わると積み込み。

いよいよ今回の震災案件の最後の選別ドラム。
早かった。瞬く間に積み込む。手慣れたものだ。
4回目ともなると当たり前だ。手早く出来なくては飯が食えない。

職人らはクレーン、積み込んだトラックと共に組立工場へ。
小生は次なる商売だ。目指すは受注。

帰福早速銀行さんが電話のベルをかき鳴らし訪れる。
今東北震災案件も片付いていないが既に次なる状況を根掘り葉掘り詰問される。

解放されるやいなや車へ乗り込む。
回れ回れ。帰福すればお客様周り。黄金週間の現場工事の日取りを決める。
次なる訪問先では他社を出し抜く法律範囲内の営業を行う。決して後ろには手は回らない。
成果は即座に出、注文頂く。
常に受注せねば銀行さんに見捨てられ我が町工場はこの世から消え去る。
借金のみが我が身を襲い、身ぐるみはがされる。

事務所へ戻れば注文の電話。もちろん注文書持って即座に駆け付けると返事。

歩けない。立つ動作でさえ激痛が走る。
この世は我が身の保障などしてくれないのか。
そんな事はないはずだ。整骨院へ行かなくては。
激務でもまだ死んでいないとの報告も兼ねて。


それでは股です。

1)失敗:激痛。
2)感動:受注。
3)目標:他社を出し抜け。