4月2日。出荷。

上に上げて下さい。
リフト爪に木パレットを差し込みその上に乗っている。
地上5M程度だ。高い所は慣れたもんだ。何ともない。
クレーンサドルの車輪を眺める。
即座に気づく。この車輪だけが摩耗し段が付いている。
これではサドルを走行させるのは危険だ。
地上に降り細かに説明する。
原因が分かっただけでも助かったとの言葉を頂く。

事務所へ行き客先社長に説明する。
そこで他でも聞いた同じような内容を聞かされる。
うちも気をつけなくては。
いつ客先が浮気するかは分かったものではない。
ただ一言感情的な言葉が発端で取引停止になった過去もある。
適当な対応をしていると今の世の中あっと言う間に注文は他社へ移る。

これは新たな案件だ。他にも次々と案件が舞い込んでいる。
実のところ復興案件終わればどうなるか不安だった。
現実は杞憂。
しばらく納期に追われ営業活動など碌に行えなかった。
有難い事に受注も頂き前金も入金頂いている。
今回の復興案件は真っ赤赤だ。今後はうちの復興と言う訳だ。

何も復興案件が終わった訳ではない。
本日がれき処理選別機4台目の出荷は終える。
短納期で苦しめられた今案件もこの旅立ちで製作は終わりとなる。
既に若き職人2名からは現地宮城に到着したと連絡受けている。
明日は既に出荷済みの3台目の組立。
本日出荷分は明後日現地組み立て開始だ。

現地の職人へは明日は早いが遅れるなよと携帯電話で念押しする。
夕食食うところはあるかと聞くと五万とあるとの返事。
酒代は出さないからなと釘をさしておいた。
丸2日間福岡から宮城仙台まで高速網1,500kmの車移動。
事故なく無事到着だ。胸を撫で下ろす。

一寸先は闇。何が起こるか分かったもんではない。
如何なる場合でも仕入れ先へ支払い、職人には給料を払う。
次だ。次だ。とどまる理由なんぞどこにもない。
プロジェクト申請書にも字を埋めなくては。
次の新しきものづくりで埋め尽くしてしまえ。
他を出し抜け。世界どこにもないものを作れ。
次々と注文をとらないでどうする。


それでは股です。


1)失敗:ビビってどうする。
2)感動:提出見積金額。客先想定内との返事。
3)目標:次なるものづくりで埋めてしまえ。